いわゆるカルチュラル・スタディーズ科目。
ヴァージニア・ウルフの「1910年の12月に、あるいはその頃に、人間の性質が変わった」という謎めいた文章と共に講義は始まるのですが、その後に流れるシェーンベルクの「グレの歌」から「三つの管弦楽小品」への変化は、先のウルフの認識に説得力を持たせる。言うならば、掴みがすげえうまいのである(ちなみにOP・ED・インターミッションの曲もシェーンベルクです)。
前半は音楽から始まり、工業デザイン、文学、詩、バレエ、映画などのモダニズム文化について解説して行く。ちなみに美学・芸術学研究と一部被るところもあるけれど、青山先生のように大ぴらに価値判断はしてはいないですね。
後半は専門であるアメリカ文化を、19世紀後半から1930年代のハイチブームまでを辿るが、それを通じてアメリカの社会問題と「白人男性」的な価値観との関係が立ち上がってくる。
「アメリカは歴史がないから」としたり顔で言う人が多いですが、それゆえに広く聴かれてほしい講義(番組)だと思います。
通信指導はWeb提出のみで1000文字まで。3問あるうちの1問選択する形態で、2つが自由度が高く、1つはあるけど予め設定されたキーワード3つを使用して述べるもの。
最初は問1でもあり2でもある「モダニズム文化としての科学技術」だなんてものを述べようかと思ったのですが、書いて行くうちに「なんだこれ」となって、急遽問3に答える始末。大慌てで講義の引用元のベンヤミンとT.S.エリオットのテキストに当たった上でなんとかでっち上げられました。
結果は……Webだと講評はあるけど評価は無いんですね。ただ、内容を十分に咀嚼できているだとか、元テキストに当たっていることを評価されてましたので、◯A相当じゃないのかな。一方でエリートの立場であるエリオットと庶民的立場のベンヤミンとの差異は押さえておこう、とも。
試験はテキスト後半の内容で、キーワードが5つに増えて文字数が800文字に……難易度がかえって高くなっているような(キーワードの初出時はアンダーラインを忘れずに!)。
私は歴史オタクなので編年体で書きましたが、講評にある解説だとそれ以外の書き様もできる模様。
最後にそんな歴史オタクからのちょっとした小技です。800文字でシオドア・ローズヴェルトとフランクリン.D.ローズヴェルトが同時に出る場合、文字数にキレそうになるかと思いますが、そういう時はTR、FDRと略してしまうのが手かと思います。アメリカ史の習いがある方だと何のことか確実に知っているはずですし、実際その表記をして◯A取れましたから。