通信制苦学記録

大学通信教育課程の史学科でアタフタしてました

日本史史料論('15)[2020年度1学期履修]

大学院唯一の日本史科目。

 

概説的な知識はあることを前提として、古代・中世・近世といった各時代区分における史料の紹介や機能、そして例として史料を提示し、その読み下しと解説を行うというスタイル。近代については、史料の幅が広がることや、WEB上で公開されていたりすることなどから、史料の引用・読解はほとんどなく、紹介・性質と成立の解説やサーチの方法に力点が置かれている。

 

私は一応史学をやってましたので、知っている話も多かった訳ですけど、例えば専門外である古代史の回にある、佐藤進一の機能論は、近年の古文書学では批判・疑義が呈されているという話は知らなかったので驚いた。古文書学は学部生の時にとってましたが、佐藤本(の大元となった通教テキスト)をガッツリと読ませるスタイル(ちなみに機能論はレポートで、試験はランダムに出される掲載史料の読み下しと解説)でしたので、それに対する批判までは辿り着けず。

佐藤の機能論は、元々昭和27年初版(確か)の通信教育テキストで提唱されたものであり、すでに半世紀以上経た説ですし、同氏の著書が岩波文庫化され始めているような「古典」になりつつあります。佐藤古文書学や、室町幕府における足利尊氏・直義による二頭政治説などへの批判は、古代史・中世史の新しい風と言えますけど、一方で佐藤がいかに強固な学説を築き上げたのかという点も強調されている感があります。

 

他中世の武家様/公家様から離れた文学・絵画や、近世の町方文書など、触れたことのなかった種類のものの講義もよかったです。

 

通信課題は古代・中世で、五味文彦先生から「よくまとめられています」という講評をいただきました(なお評価はA)。

単位認定試験(◯A)ですが、コロナ禍の影響で、放送大学初の試みであろう自宅受験。ただ、出題傾向は過去問と同様。けれども、本来持ち込み不可な試験で参照自由となってしまってますので、難易度は……。もし本来の形式であれば、近世の方は問題なくクリアできただろうけど(実際ノートをほぼ見ずに問いた。確認の意味で照らし合わせはしたけど)、近代の方がね。

 

最後に、この科目は今年度で閉講となりますが、これの更新科目である「日本史史料を読む('21)」のシラバスはすでに公開されています。

 

https://www.wakaba.ouj.ac.jp/kyoumu/syllabus/PU02060200211/initialize.do

 

中世の文学・絵画は削られてしまってますね(この辺は五味先生の特色であったのでしょう)。近世は戦国末期や幕府の文書を読む様になり、近代は外交文書に触れるようになる模様。また、近世・近代のまとめでは、海外にある日本についての史料の話もあるようです。

なお履修制限はないので、いずれ受講しようと考えてます。せこいと思われそうだけど、それに対しては「2単位で4つの時代だから、それぞれ0.5単位、普通は1つの時代で2単位やるけど、これ取っても1単位だ。全然せこくないな!」と返してやります(謎理論)。