通信制苦学記録

大学通信教育課程の史学科でアタフタしてます

日本古文書学[2016]リポート提出

2016年度ラストは百寿記念リポート(?)

 

この科目は1設題の中に小問が2つある形なのですが……小問1つにつき2000文字なのでは?と思いながらのリポート作成となりました。西洋哲学史の時とまったく一緒だ。

 

設題1の小問1が古文書学の性格や歴史、そして古文書の伝来についての説明で、あとは公式様、公家様、武家様の文書についての説明で、それぞれ詳しく説明すべき様式が4〜6種類。

 

「これ規定文字量に収まるか?」と思いつつベタ打ちの段階であと数十文字削ればいいところまでに持って行ってるの、我ながらスゴイなぁ。

 

それはともかく、今回使用した文献は、テキストとシラバス掲載分、そしてダイレクト・マーケティング()につられて読んで見たやつ。

 

・日本歴史学会編『概説古文書学 古代・中世編』吉川弘文館

設題総覧の方の参考文献として上がっている、『演習古文書選』とセットで学習するというコンセプトな本(テキストを使わず、この本中心で学ぶとかでなければ不要かと)。しかし、各様式についての説明についてはこちらの方が読みやすい(特に武家様は設題範囲の鎌倉時代が独立してあるので学びやすい)。

 

飯倉晴武『古文書入門ハンドブック』吉川弘文館

テキストと上記は様式論や機能論の解説に徹底しているが、こちらは「古文書を扱うこと」について実践的な解説が中心。古代・中世史の人は手元に置いてもいいかも知れないけど、リポートにはそんなに役には立たなかったかな。

 

丸島和洋真田信繁の書状を読む』星海社新書

担当編集者の「古文書学やるなら読んどけ」的ツイートを、丸島氏がRTしてて(今はアカウント消してるが)、それが頭にあったので手を出した次第。

これは学習の最初だとか、1・2年次に第1章を読んでおくと良さげですね(私は最後に読んだのだけど)。

現代における古文書の効力だとか、「近世文書はなぜ古文書として扱われなかったのか」について言及してたりと、それぞれはほんの1〜3行くらいの記述ですが、それでも他の本にはない記述がポツポツあって、参考になりました。

なお、真田信繁の文書の解説に入る第2章以降は、当然ながらリポート作成の役には立ちません(鎌倉時代までだから)。

 

・佐藤進一『日本古文書学』(『新版古文書学入門』法政大学出版局)

上記の各文献が必ず参考文献として上げているのが通教テキストの一般書版。我妻榮や有泉亨、大内兵衛などが著したテキストを買いに来る他校の学生がいたと言う話ですが、この古文書学が一番のベストセラーなんでしょうね。

これの初版は、前半(第1分冊)が1952年、後半(第2分冊)は翌年で、1968年は合本版の初版ですね。で、誤植の癖から察するに、90年代に改版されているっぽい(誤植もそうだけど、本文中に新字と旧字が入り混じっていたりもしていて、正直こんなのだったら古いままでよかったのでは、と思いながら読んだ。史学なら旧字でも余裕で読めなきゃダメだろうし)。

確か通教設置で暗躍もとい動き回った、OBで当時理事だった中野勝義が、通教の利点として「テキストという形で学術書を出す機会の提供」を上げていたと思いますが、それに乗っかって、なおかつ今も影響を与え続けているのだから、すごいもんだ(元々すごい人ですけどね。1943年刊の『鎌倉幕府訴訟制度の研究』は学士論文だったとか)。